横浜市都筑区のケービーエスに保険修理で入庫したスズキ ジムニーシエラ(3BA-JB74W)は、左フロントドアの下半分から、ドアの後ろの車体、後輪まわりの黒いオーバーフェンダーまで、こすりキズとへこみが一続きに入っていました。ドアは新しい部品に替え、ドアの下のサイドシルとその後ろの角は黒い塗装を研いで下の鉄板まで出し、パテで形をそろえてからカラー番号ZJ3で塗り直しています。
初度登録は令和4年10月、乗車定員4人のジムニーシエラです。ご要望として、お預かり証には「きれいに直ればよい。納期は知りたい」と記されていました。リサイクルパーツ(中古の部品)は使わない、というご指定です。

作業では、前後のバンパーやグリル、左前と左リヤのオーバーフェンダーを車から外し、塗る面の縁まで出してから塗装に入りました。新しいドアは、下塗りの灰色のまま一度車体に取り付けて合わせ、そのあと塗装ブースのスタンドに立てて、ドアだけで塗っています。車体の側は、左前フェンダー・サイドシル・左リヤクォーターを同じブースで塗りました。こうした途中の手間は、記事の後半の「職人の技」の段でまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種 | スズキ ジムニーシエラ(3BA-JB74W・1.46L ガソリン・4人乗り) |
| 登録 | 令和4年10月(初度登録) |
| カラー | ZJ3 ブルーイッシュブラックパール3(コーションプレートとお預かり証で確認) |
| ご依頼 | 保険修理 |
| ご要望 | きれいに直ればよい・納期を知りたい(お預かり証より) |
| リサイクル部品 | 不可(中古の部品は使わない) |
| 損傷箇所 | 左フロントドアの下半分(長いこすりキズ・波打つへこみ)/ドアの下の樹脂のモール(キズ)/ドアの後ろの車体=サイドシルの後ろの端とリヤクォーターの前の下(へこみ・キズ)/左リヤのオーバーフェンダー(こすれ) |
| 交換(新品) | 左フロントドア(ドアパネル)/ドアのガラスウエザ(外側)・ドアウエザストリップ・フロントドアのシーリングカバー・ドアクッション/左ロッカパネルモール/左リヤのホイルハウスモール(オーバーフェンダー)/フロントとリヤのフェンダスプラッシュ(プロテクタ)/クリップ類(部品の伝票で確認) |
| 車体の修理 | サイドシル・リヤクォーターの前の下・後輪のアーチの上の角(研いで鉄板の面まで戻す → パテ → 下地 → 塗装) |
| 外した部品 | 前バンパー・グリル/左前と左リヤのオーバーフェンダー/リヤバンパー |
| 塗装 | 車体=左前フェンダー・サイドシル・左リヤクォーター(塗装ブースで)/新しい左フロントドア(スタンドに立てて単体で) |
| 工程 | 損傷の記録 → 部品の手配 → ドアの取り外し → 新しいドアを下塗りのまま取り付けて確認・サイドシルとドアの後ろの角を研いで鉄板を出す → パテ → 下地 → 塗装ブースで養生・塗装 → 新しい部品の組み付け → 完成 |
ジムニーシエラは、車検証の乗車定員が4人の車です。お預かりのあいだも4人で乗れる車があれば、ふだんの予定を組み直さずにすみます。勝田レンタカーには、レンタカー登録(わナンバー)の車両が200台以上あり、乗車定員4人の軽自動車も含まれます。車種は、保険のご契約とお預かりの期間、空き具合を照らし合わせてからのご案内です。
損傷|左フロントドアの下半分から、後輪のオーバーフェンダーまで
お預かりの時点で、傷のある所に青緑のテープを貼り、後輪のそばに目盛りの棒を立てて、高さが分かるように写真に残しています。
傷がいちばん長く続いていたのは、左フロントドアの下半分です。前から後ろへ横に長いこすりキズが走り、その下の面は波を打つようにへこんで、ドアの下の端は塗装がはがれていました。ドアの下にある樹脂のモールにも、キズが入っています。
後ろ寄りでは、ドアの後ろの車体(サイドシルの後ろの端と、リヤクォーターの前の下)にへこみとキズがあり、左リヤのオーバーフェンダー(後輪まわりの黒い樹脂のふち)も削れていました。下の写真は、目盛りの棒と並べたドアから後輪まで、ドアの下半分の寄り、後ろ寄りから見たドアの後ろの角の順です。



研ぎ|ドアを外し、サイドシルとドアの後ろの角を鉄板まで研ぐ
最初に、傷んだ左フロントドアを取り外しました。ドアを外したあとの開口部の下には、ふだんドアの陰になっているサイドシル(ドアの下を前後に通る、車体の一部)が前から後ろまで続き、その後ろにリヤクォーターの前の下があります。
ここはボルトで外して取り替える部品ではなく、車体そのものです。傷んだ黒い塗装を研いで、銀色の鉄板が出るまで落としました。ドアの開口部のふち(ゴムがはまる折り返しの部分)には緑のテープを貼って、研ぐ範囲と分けています。下の写真は、サイドシルの前寄り、サイドシルの全体とドアの後ろの角、オーバーフェンダーを外した後輪のアーチと後ろの角の順です。



鉄板の面のふちは、黒い塗装へ向かって少しずつ薄くなるように研いであります。オーバーフェンダーを外した後輪のアーチには留め具の穴が並び、アーチの上の角にも、小さく研いだ所があります。
パテ|研いだ範囲の中だけに、クリーム色のパテ
鉄板まで研いだ面にはパテを盛り、パテが固まったら、まわりの塗装の高さに合うまで研ぎます。写真でクリーム色の部分がパテです。パテがのっているのは、ドアの後ろの角、後輪のアーチの上の角、サイドシルと、どれも研いだ範囲の中でした。
アーチの上の角では、パテのまわりに細かな研ぎ目の帯が広がり、外へ行くほど元の黒い塗装のつやに戻っています。サイドシルには、ドアの下のモールを留める穴が並んでいます。下の写真は、ドアの後ろの角とアーチの上(左端に写る灰色の板は、次の段で紹介する新しいドア)、ドアの開口部の後ろの下、サイドシルの全体の順です。



仮付け|新しいドアを下塗りの灰色のまま取り付ける
部品の伝票で手配した新しい左フロントドアは、車体の色が付いていない、下塗りの灰色の状態で届きます。色を付けるより先に、届いたドアを車体に組み付けてみました。
ドアを付けたり外したりして合わせ具合を見る作業は、色を塗る前に済ませておくほうが安心です。塗り上げたあとのドアでは、付け外しのたびに、仕上げた面に工具や手が触れてしまうからです。この時点では、取っ手とミラーはまだ付いておらず、ドアの下のサイドシルにはクリーム色のパテが見えています。研ぎの段の1枚目の写真でも、左端に開いた状態の灰色のドアが写っています。

取り外し|バンパーとオーバーフェンダーを外して、塗る面の縁を出す
新しいドアを付けた車を前後から見ると、前バンパーとグリル、左前と左リヤのオーバーフェンダー、リヤバンパーも外してあります。左前フェンダーやリヤクォーターの縁は、ふだんはこうした樹脂の部品の下に隠れています。
樹脂の部品を付けたままテープで囲うと、テープを貼った線がそのまま塗装の端になります。部品を外しておけば、パネルの縁の折り返しまで色を回してから、部品を元の位置に戻せます。下の写真は、前バンパーとグリルを外した前、オーバーフェンダーを外した左前、オーバーフェンダーを外した左後ろ、リヤバンパーを外した後ろの順です。




下地|サイドシルとドアの後ろの角だけを、紙の外に出す
パテを研ぎ終えたあとは、サイドシルからドアの後ろの角にかけてだけを出し、まわりを紙でくるみました。左の写真がこの紙のマスキング、右の写真は塗装ブースに入ったときのサイドシルです。クリーム色だったパテの面は、まわりと同じような濃い色に変わっています。


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マスキング|ブースで車を包み、パネルの境目でテープを切る
ブースの中では、車をすっぽりビニールで覆い、色をのせる面だけを外に残しました。出したのは、左前フェンダー、ドアの開口部のまわりとサイドシル、左リヤクォーターです。
テープの線は、パネルの真ん中ではなく、ボンネットとの合わせ目、屋根の雨どい、窓のゴムのきわ、車体の後ろの角といった、パネルの境目に引いてあります。左の写真は前寄りから見たところで、奥にはスタンドに立てた新しいドアも見えます。右の写真は、後ろ寄りから見た左リヤクォーターです。


塗装|ZJ3 ブルーイッシュブラックパール3で、車体の左側を塗る
色は、エンジンルームのコーションプレート(型式や色の番号を記したラベル)に書かれたカラー番号ZJ3で、お預かり証のカラーの欄も同じ番号です。スズキの色名ではブルーイッシュブラックパール3といいます。黒い色は、塗り肌の粗さやむらが、映り込んだ光のゆがみになって表に出やすい色でもあります。
塗り終えた左リヤクォーターの面に、ブースの照明が白い帯のように映っています。雨どいと窓のゴム、後ろの角で切ったテープの内側だけに、ZJ3の色がのりました。

前寄りでは、左前フェンダーと、ドアの開口部の下のサイドシルにも同じつやが出ています。ボンネットやタイヤ、ドアの開口部の中は、ビニールで覆ったままです。

新しいドア|スタンドに立てて、ドアだけで塗る
新しい左フロントドアは、合わせ具合を見たあと車から外し、ブースのスタンドに立てて、ドアだけで塗りました。ドアの前後の縁や、窓のまわりの内側の枠まで、車体と同じZJ3でそろえられます。左の写真が塗る前の下塗りの灰色、右の写真が塗り終えたドアで、縁と内側の枠にもつやが出ています。


組み付け|ウエザストリップやモールを新品にして、外した部品を戻す
ブースでの塗装を終えたら、外していたバンパーやオーバーフェンダーを戻し、新しい部品も取り付けます。伝票で新品と確かめられるのは、ドア本体のほか、ドアのガラスウエザ(窓の下の外側のゴム)とドアウエザストリップ、ドアの内側に貼るシーリングカバー、ドアクッション、ドアの下のロッカパネルモール、左リヤのホイルハウスモール(後輪まわりのオーバーフェンダー)、フロントとリヤのフェンダスプラッシュ、クリップ類です。
左の写真は、袋から出した新しいゴムの部品です。右の写真は、組み付けた車の横に置いた、外した元の左フロントドアで、入庫のときの波打つへこみとテープの目印が下半分に残っています。


完成|組み付けを終えたジムニーシエラの左側面を屋内で
屋内で撮影した、組み付け後の左側面です。波打つへこみのあった元のドアに代わって、交換した新しい左フロントドアが収まり、ドアの下には新しいロッカパネルモールが付いています。ドアと前後のパネルのすき間も、そろって見えます。

下の写真は、左前から見たフェンダーとドア、ドアのうしろ側から見たリヤクォーターと後輪、左後ろから見たリヤクォーターと新しいオーバーフェンダーの順です。



職人の技|途中の写真に残る、仕上がりの裏側の5つ
ここまでの写真を、職人がどこで手間をかけたかという目で見直すと、次の5つが読み取れます。
1. 鉄板の面まで戻してから作り直す サイドシルとドアの後ろの角は、傷んだ黒い塗装を研いで、下の鉄板まで出しています。傷のある塗装の上に下地を重ねるのではなく、いったん鉄板の面まで戻してから、パテと下地を積み直しています。ドアの開口部のふちは緑のテープで覆って、研ぐ所と分けていました。
2. パテは傷の範囲にとどめる クリーム色のパテは、ドアの後ろの角・アーチの上の角・サイドシルという、研いだ所の内側だけにのっています。アーチの上の角では、パテのまわりに細かな研ぎ目の帯があり、外へ行くほど元の塗装のつやへつながっていました。
3. ドアは色を塗る前に合わせる 新しいドアは、下塗りの灰色のまま一度車体に付け、合わせ具合を見てから外して、スタンドの上で塗りました。塗り上げた面に触れる回数を減らす順番です。
4. 外せる部品は外す 前後のバンパーとグリル、左前と左リヤのオーバーフェンダーは、塗装に入る前に外してあります。樹脂の部品の下に入り込むパネルの縁まで、色を回せます。
5. 色の境目をパネルの境目に重ねる ブースのテープは、ボンネットとの合わせ目、屋根の雨どい、窓のゴム、車体の後ろの角で切ってあります。塗装の端が、もとからある線の上に来るので、塗った所と塗らない所の境が目に入りにくくなります。
修理中の代車|4人で乗れる軽自動車の代車もあります
車検証によると、ジムニーシエラの大きさは長さ355cm・幅164cmです。ルークスやスペーシア ハイブリッド、N-BOX カスタムといった勝田レンタカーの軽自動車は、これより長さも幅もひと回り小さく、それでいて乗車定員はジムニーシエラと同じ4人です。
当社ではレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しています。乗る人数や普段の使い方をお聞きして、空き状況を確認しながらご案内します。
ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わります。特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられませんので、まずはご相談ください。
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まとめ|交換するドアと、直す車体を分けて仕上げたジムニーシエラ
今回のジムニーシエラは、左フロントドアを新しい部品に替えて、下塗りのまま合わせてからスタンドの上で塗装し、サイドシルとリヤクォーターの前の下は鉄板まで研いでパテと下地を重ね、ZJ3で塗った保険修理の事例です。ロッカパネルモールや後輪まわりのオーバーフェンダーも新品にし、外したバンパー類を戻して仕上げました。
横浜市都筑区で板金塗装を手がけるケービーエスでは、ドアの交換と車体の修理が重なる保険修理も、修理中の代車のご相談も、一つの窓口でお受けしています。
お手元にある傷の写真を見せていただければ、どこを交換し、どこを直すことになりそうか、写真を見ながらお話しします。お気軽にお問い合わせください。
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よくある質問
- ジムニーシエラのドアの下を長くこすって、へこみもあります。ドアは交換になりますか?
- へこみがドアのどこまで広がっているかを見て決めます。今回のジムニーシエラ(3BA-JB74W)では、左フロントドアを、伝票のとおり新しいドアパネルに取り替えました。ドアの下のサイドシルとその後ろの角は車体の一部なので、鉄板が出るまで研いでから、パテと下地を重ねて塗装しています。どこを交換するかは、実車を見てからお伝えします。
- ZJ3の黒いジムニーシエラです。交換したドアだけ色が浮いて見えませんか?
- 色の番号は、エンジンルームのコーションプレートで確かめたZJ3(ブルーイッシュブラックパール3)です。今回は、下塗りの灰色で届いた新しい左フロントドアと、車体の側の左前フェンダー・サイドシル・左リヤクォーターを、どちらもZJ3で塗り上げました。ドアはブースのスタンドに立てて、縁や内側の枠まで色をのせています。仕上がりの色は、お引き渡しのときに明るい場所で一緒にご確認ください。
- ジムニーシエラのオーバーフェンダーやバンパーは、塗装のときに外すのですか?
- 今回のジムニーシエラでは、前バンパーとグリル、左前と左リヤのオーバーフェンダー、リヤバンパーを外してから塗装に入りました。外しておくと、樹脂の部品の下に隠れるパネルの縁まで色をのせられます。こすれのあった左リヤのオーバーフェンダー(ホイルハウスモール)は、部品の伝票のとおり新品に交換しています。
- 保険修理でも、中古の部品を使わないようにできますか?
- お預かり証には、リサイクルパーツ(中古の部品)を使ってよいかどうかを書く欄があります。今回のジムニーシエラはその欄が「不可」で、伝票で確かめられる取り替えの部品は、どれも新品です。部品についてのご希望は、お預かりのときにお伝えください。
- 修理中の代車は借りられますか?
- ご相談いただけます。当社はレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しており、乗る人数や普段の使い方をお聞きしてご案内します。ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わるため、特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられません。