横浜市都筑区の株式会社ケービーエスで、スズキ エブリイワゴン(3BA-DA17W)の左スライドドアと左クォーターのへこみを、表側から引き出す板金で直しました。スライドドアは溶接した金具で、クォーターの前の縁は波形のワイヤーとくし形の工具で引き戻し、ドアの下のステップは外して別に塗装しています。
お車は令和5年2月登録の、4人乗りのエブリイワゴンです。ご依頼は保険修理で、ケービーエスがお引き取りにうかがって入庫しました。お預かり証の作業内容の欄には「左Rまわり Rドア ステップ,クォーター」とあり、左の後ろまわりにあるスライドドア・ステップ・クォーターの3か所が、今回の修理の範囲です。

へこみは、スライドドアの後ろの下に横へ一直線に入り、そのすぐ後ろ、後輪の前にあるクォーターの縁は内側へ押し込まれていました。どちらも今あるパネルを外へ引き戻して形を整え、パテとサフェーサーで下地を重ねてから、塗装ブースでカラー番号Z7Tに塗っています。スライドドアの外側のドアハンドルは外してから塗装し、ステップは車から外して単体で塗りました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種 | スズキ エブリイワゴン(軽自動車・ステーションワゴン・4人乗り) |
| 型式 | 3BA-DA17W(0.65L ガソリン) |
| 登録 | 令和5年2月 |
| カラー | Z7T(コーションプレートで確認) |
| ご依頼 | 保険修理(ケービーエスがお引き取りにうかがって入庫) |
| 損傷箇所 | 左スライドドアの後ろの下(横一直線のへこみとこすり傷)/左クォーターの前の縁(スライドドアの後ろ・後輪の前)/スライドドアの下のステップ(端の擦れと変形) |
| スライドドアの修理 | 塗装を研いで鉄板を出す → へこみの線に沿って金具を溶接し、外へ引き出す → パテ → サフェーサー |
| クォーターの修理 | 前の縁に波形のワイヤーを溶接 → くし形の工具とスライドハンマーで外へ引き出す → パテ → サフェーサー |
| 外した部品 | スライドドアの外側のドアハンドル/ステップ |
| 塗装 | スライドドア・クォーター(車に付けたまま塗装ブースで)/ステップ(車から外し、台に載せて単体で) |
| 工程 | お引き取り → 損傷の記録 → スライドドアの引き出し → クォーターの引き出し → パテ → ステップの取り外し → パテ研ぎ・マスキング・サフェーサー(2か所に分けて) → 塗装ブースでの養生(ドアハンドルは外した状態) → 塗装 → 組み付け → 完成 |
保険修理でお車をお預かりしているあいだの足も、修理と同じ窓口でご相談いただけます。勝田レンタカーが持つ、わナンバー(レンタカー登録)の車両は200台以上で、スライドドアの付いた軽自動車も含まれます。どの車をお貸しできるかは、保険のご契約と修理の中身、その時期の空き具合を確かめたうえでのご案内です。
入庫|お引き取りの日に、テープと目盛りで傷を記録
ケービーエスのお預かり証には、修理する箇所にマスキングテープを貼って損傷をはっきりさせること、長さの分かる目盛りを入れた写真も残すことが、手順として書かれています。このエブリイワゴンも、お預かりした日に傷のまわりへ緑のテープを貼り、目盛りの入った棒を立てて撮影しました。
左の写真は、スライドドアの後ろの下からクォーター、ドアの下のステップまで、テープの位置が分かるように少し離れて撮ったものです。右の写真は、目盛りの棒を立てて写したものです。


損傷|スライドドアの後ろの下と、後輪の前の縁
板金に入る前に、傷を近くから撮り直しています。スライドドアの後ろの下には、横一直線のこすり傷と、それに沿ったへこみがありました。ドアとクォーターの境目では、こすり傷が境目をまたいで続き、ステップの端には黒い擦れが残っています。下の写真は、スライドドアの後ろの下、境目を近くから、ステップの端の順です。



クォーターの前の縁は、形そのものが内側へ押し込まれていました。下からのぞくと、スライドドアとのすき間のすぐ後ろで、縁の塗装がはがれています。その下のステップの端も押されて形がくずれ、擦れていました。

引き出し板金|スライドドアのへこみを、溶接した金具で表から引く
スライドドアは、後ろへ開けた状態で作業しています。研いだ範囲はへこみより広く、塗装の下から銀色の鉄板がのぞいています。
へこみの線の上には、小さな輪のような跡が一列に並んでいます。引き出し用の金具を鉄板に溶接し、外へ引いては外した跡です。輪が集まっているのは、へこみの線と、ドアの後ろの角のまわりだけ。へこんだ所に絞って引き出していることが、跡の並び方から読み取れます。
鉄板の上には書き込まれた線があり、緑のテープもまっすぐ一本貼られています。ドアの下の端には、クランプ(つかみ具)が付いています。下の写真の右端に見える赤い部品は、テールランプです。

引き出し板金|クォーターの縁は、ワイヤーとくし形の工具で
クォーターは、ボルトで外せるドアとちがって、車体と一体になったパネルです。押し込まれた前の縁は、裏側から手や道具を入れて押し戻しにくい場所です。そこで、こちらも表側から引いています。
押し込まれた縁の線に沿って、波形のワイヤーを溶接しました。そのワイヤーに、くしのように並んだ引き出し用の工具のフックを一本ずつ掛け、工具の先にスライドハンマーをつないで外へ引いています。フックが何本も並んでいるので、縁の一点ではなく、縁の線に沿って力をかけられます。
左の写真は少し離れて工具の全体を、右の写真は縁に掛けたフックを近くから写したものです。縁のまわりも塗装を研ぎ落として鉄板を出してあり、スライドドアの後ろの下には、引き出しを終えた鉄板の面が見えています。


パテ|引き出した面に、へらでパテを付ける
引き出しを終えた鉄板には、まだ細かな凹凸が残っています。そこへパテをへらで付け、固まったら研いで、まわりの塗装と高さをそろえていきます。
パテは、スライドドアの後ろの下と、クォーターの前の縁の両方に付けました。へらを動かした向きが、横向きのすじになって残っています。この段階では、ステップはまだ車に付いたままです。

サフェーサー|クォーターとドアで、紙の窓を開け直す
パテを研いで面をそろえたら、塗らない所を紙で覆い、サフェーサー(色を塗る前に吹く下地の塗料)をのせます。このエブリイワゴンでは、クォーターとスライドドアを一度に出さず、紙の窓を開け直して1か所ずつ吹いています。
1か所目は、クォーターの前の縁です。左の写真が吹く前、右の写真が吹いたあとで、窓の中が明るい灰色でそろっています。この時点で、ステップは車から外してあります。


2か所目は、スライドドアの後ろの下です。紙を貼り直してドアの側に窓を開け、研いだパテの面を出してから吹きました。左の写真が吹く前、右の写真が吹いたあとです。


紙をはがした左側面です。スライドドアの後ろの下に灰色の下地がのり、ステップを外した車体の下のふちには、留め具が列になって並んでいます。

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マスキング|ハンドルを外し、車をビニールで包む
塗装ブースでは、車全体をビニールで包み、窓のまわりや前のドアとの境、後ろの角を緑のテープで押さえて、スライドドアとクォーターを出しました。
スライドドアの外側のドアハンドルは外し、取り付けの穴を緑のテープでふさいであります。ハンドルを付けたまま、まわりをテープで囲って塗ると、ハンドルのきわに塗料の段や塗り残しができやすくなります。外してしまえば、くぼみの奥まで同じように色をのせられます。
左の写真はビニールで包んだ左後ろ、右の写真はハンドルを外したスライドドアの前寄りです。どちらにも、サフェーサーの灰色が見えています。


塗装|スライドドアとクォーターを、カラー番号Z7Tで
色は、コーションプレート(車体に貼られた、型式や色の番号の表示)に記されたカラー番号Z7Tです。スライドドアとクォーターは、同じブースで塗り上げました。
塗り上がったスライドドアには、ブースの照明がまっすぐな線になって映り込んでいます。ハンドルを外した穴のまわりのくぼみにも、つやがのっています。

塗装後|ビニールで包んだときと同じ向きから
ビニールで包んだときと同じ向きから見た、塗装後の左後ろです。灰色だったスライドドアの下とクォーターの前が、まわりと同じ白になりました。ビニールとテープは、まだ外していません。

ステップ|車から外し、台に載せて単体で塗る
ステップは車から外し、塗装ブースの台に載せて、車体とは別に塗りました。車に付けたままでは、車体とのすき間や下側の端に手が入りにくくなります。外して台に載せれば、車体に隠れていた端まで見ながら塗れます。
左の写真が塗る前、右の写真が塗ったあとです。つやのなかった表面に、車体と同じ白のつやがのりました。


完成|左側面のラインとつやが戻ったエブリイワゴン
ステップとドアハンドルを付け直し、工場の中で撮った完成の写真です。横一直線のへこみがあったスライドドアの後ろの下も、押し込まれていたクォーターの前の縁も、まわりと同じ線とつやに戻りました。ステップも、ドアの下にまっすぐ収まっています。

左の写真は左前から、右の写真は左後ろから見た全体です。


職人の技|作業の途中の写真に残る5つの手間
このエブリイワゴンの修理には、完成の写真だけでは分からない手間が、作業の途中の写真に残っています。
1. へこんだ線に絞って引く スライドドアの引き出しの跡は、へこみの線の上に一列に並び、ほかはドアの後ろの角のまわりにまとまっているだけです。引く場所を広げすぎると、へこんでいない所の形まで変わってしまいます。
2. 裏から押し戻しにくい縁は、線で引く クォーターの前の縁は、溶接した波形のワイヤーとくし形の工具で、縁に沿って何か所も同時に引いています。一点に力を集めず、縁全体に力を分けて戻すための道具です。
3. 今あるパネルを生かす スライドドアもクォーターも、引き出しからパテ、塗装まで、同じパネルが車に付いたまま写っています。押し込まれた所を外へ戻し、元の形に近づけていく直し方です。
4. 下地は1か所ずつ サフェーサーは、クォーターとスライドドアで紙の窓を開け直し、別々に吹いています。吹く範囲を傷のまわりに絞れば、下地の灰色を必要以上に広げずにすみます。
5. 部品は外してから塗る スライドドアの外側のドアハンドルは外して穴をふさぎ、ステップは車から外して単体で塗りました。部品のふちに、塗装の境目を作らないための手間です。
修理中の代車|スライドドアの軽自動車もご相談ください
エブリイワゴンは、後ろの席がスライドドアの4人乗りの軽自動車です。修理のあいだも同じような乗り降りのしやすさがほしい、という方には、勝田レンタカーのスペーシア ハイブリッドやN-BOX カスタム、ルークスといった、スライドドアの軽自動車があります。
当社ではレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しています。乗る人数や普段の使い方をお聞きして、空き状況を確認しながらご案内します。
ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わります。特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられませんので、まずはご相談ください。
勝田レンタカー|事故代車のラインナップ例




グレーのN-BOX カスタム(EX ターボ・令和5年式)を見る
ルークス ハイウェイスターG ターボ(全周囲カメラ付き)を見る
まとめ|エブリイワゴンの左側面を、表から引き出して元の形に
今回のエブリイワゴンは、左スライドドアの後ろの下を溶接した金具で、左クォーターの前の縁を波形のワイヤーとくし形の工具で引き出し、パテとサフェーサーを重ねてから、カラー番号Z7Tで塗装した事例です。外側のドアハンドルは外してからスライドドアを塗装し、ステップは車から外して単体で塗り、どちらも組み付けて仕上げました。
横浜市都筑区のケービーエスでは、軽自動車のスライドドアやクォーターのへこみも、保険を使う修理もお受けしています。お預かり中に乗る車のことも、同じ窓口でうかがいます。
裏側から手を入れにくい場所のへこみも、どう直せそうかを一緒に確かめます。お気軽にお問い合わせください。
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修理のご相談
よくある質問
- エブリイのスライドドアの下がへこみました。ドアを取り替えずに直せますか?
- へこみの深さや場所によっては、今のドアを引き出して直せることがあります。今回のエブリイワゴン(DA17W)は、スライドドアの後ろの下の塗装を研いで鉄板を出し、へこみの線に沿って溶接した金具で外へ引き戻しました。そのあとパテとサフェーサーで面を整え、カラー番号Z7Tで塗装しています。ドアを生かせるかどうかは、へこみの深さと場所を見て判断します。
- 後輪の前のクォーターがへこみました。裏から叩きにくい場所は、どう直すのですか?
- 表側から引き出す方法があります。このエブリイワゴンでは、内側へ押し込まれたクォーターの前の縁に波形のワイヤーを溶接し、くし形の工具のフックを掛けて、スライドハンマーで外へ引き戻しました。クォーターは車体と一体のパネルなので、表から形を戻せれば、パネルを切り離さずに直せます。
- スライドドアの下のステップにも擦れがあります。ステップはどう塗るのですか?
- 今回のエブリイワゴンでは、ステップを車から外し、塗装ブースの台に載せて単体で塗りました。スライドドアとクォーターは車に付けたまま、同じブースで塗装しています。外せる部品を外して塗るかどうかは、部品の形や傷の位置を見て決めます。
- 保険修理でエブリイを預けたいのですが、工場まで乗って行かないといけませんか?
- このエブリイワゴンは、ケービーエスがお引き取りにうかがって入庫しました。お引き取りにうかがえるかどうかは場所によりますので、対応できる地域はお電話でおたずねください。保険を使う修理の進め方も、あわせてご相談いただけます。
- 修理中の代車は借りられますか?
- ご相談いただけます。当社はレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しており、乗る人数や普段の使い方をお聞きしてご案内します。ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わるため、特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられません。